佐賀県鳥栖市在住／Sさんの住まい

玄関横にキッチン！ しかも3mのビッグサイズ。
大胆な仕様がそこここで見て取れるSさん邸。
そこには暮らしやすさや安全性を追求した、
家族の願いが詰め込まれていました。

 

 

 

とにかく自分たちが
暮らしやすい家に

 

澄んだ青空に映える、爽やかなネイビーの戸建て。玄関のドアを開けるとオープンなシューズクロークのある空間が広がり、キッチンからリビングダイニングへと動線が続く。「玄関ホールからいきなりキッチンって、ちょっと珍しいかもしれませんね。でも住む側にとっては便利なんですよ」と奥さまがにっこり。ご夫婦と娘さん、愛犬の3人家族＋1匹が暮らすSさん邸。一人暮らしをしている息子さんは、年に数回ほど帰ってくるそうだ元々こちらの場所にはご主人のご実家があり、リフォームをして住む構想があったが、不同沈下（地盤の歪みなどによって建物が傾くこと）が見られたため建て替えることに。

 

 

 

「最初のリフォーム構想から数えて、家が建つまでに5年ほどかかりました。その間には母の介護やコロナ、愛犬との出会いなどいろいろな出来事があり…。そこで行き着いたのが、自分たちが暮らしやすい家。流行や人の目を気にするのではなく、機能や利便性にこだわった家を建てようと思いました」。そんな思いを汲み取って誕生したのが、LDKが家のメインになる間取り。玄関横にキッチンを置くことで、買い物の荷物をすぐに下ろせるというメリットが生まれた。回遊性のあるアイランドキッチンは、隣のリビングダイングへの通路としての役割も果たしている。
S邸は家族全員分の駐車場スペースを確保したところ、家の建坪は30坪ほどに。そんな限られたスペースを活用する工夫が見られるのも特徴だ。ご夫婦ともに実家から引き継いだ“捨てられないもの”が多いことが悩みだったそう。それらを収納しているのが、リビングの小上がりだ。畳の下は大容量の収納スペースになっている上、小上がりが腰掛けにもなってまさに一石二鳥。「リビングを広くとることができて、夫と娘はいつも畳でゴロゴロしているんですよ（笑）。来客があった際の椅子代わりにも使えるし、重宝しています」。

 

 

 

 

 

「安心・安全・快適」の
三拍子が揃った暮らしを実現

 

家を建てるにあたり、Sさんがもう一つこだわったのが安心安全な住まいにすること。「このあたりは水害が少ないとは聞いていますが、今のご時世何があるか分かりません。そこで台風や洪水に備え、家の土台を１ｍほど上げてもらっています」。地震にも強い家にするために、木材の結合部に特殊な金属を用いて構造の強度を上げる『KS構造』を採用した。「外観はシンプルでいいので、見えないところにお金をかけようと思いました」と、Sさんは堅実に住まいの将来を見据えていた。
さらに住み心地も快適になるように、断熱も強化。断熱素材を屋根や壁に吹き付ける『吹付断熱』によって高い断熱性と気密性を確保し、家を魔法瓶のような状態に。その効果は数字にも表れているようで、以前住んでいた戸建てでは月4万円ほどかかっていた電気代が現在では1万円弱に激減したと、嬉しそうに教えてくれた。そんな安心安全のこだわりは、家族の一員であるワンちゃんにも。1階の床には、滑りにくく汚れに強い塩化ビニルのフロアシートを敷いている。通常は屋外や店舗で使う床材だが、“愛犬ファースト”で特別に室内に使用してもらったという。

 

 

 

 

柔軟な姿勢と自由度が高い
プランニングに惹かれて

 

暮らしやすさも安全性も。どちらも譲らないSさんの住まいに対する思いを叶えてくれたのが[サードカフェ]。最初は1軒1軒で異なるコンセプトで設計する家づくりに惹かれたというが、最終的な依頼の決め手になったのが「柔軟に対応してくれる姿勢」だったそう。
「私も夫も建築に関しては素人ではなかったので、妙なところにこだわりがあったんです（笑）。加えてキッチンに自作の棚を付けたい、壁を自分たちで塗りたい、自分たちでも手を加えたいという要望も出しました。代表の桐谷さんはそんな私たちの提案や要望を一切否定せず、“それは面白いですね！”と言って受け入れてくれて。そのおかげで、まさに私たち家族のためのオーダーメイドの家が出来上がったと思っています」。今秋には庭に人工芝を敷いて、ワンちゃんが遊べるドッグランが完成する予定。ますます家族の楽しみが増えそうなSさん邸だ。