素敵な例を見たことで、家族の夢が広がって

リビング側から見たダイニング・キッチン。塗装や木の質感に、モルタルでカバーしたキッチンがモダンなムードをプラス。左奥の玄関からのシンプルな動線にも注目を

 

玄関を入ると土間が伸び、すぐに広々としたLDK！まさに「開放感たっぷり」という一文がピタリとあてはまるN邸。「“家なんてまだまだ先”と考えていたんですが、今となってはそれがもったいないと思えるほど、この家での暮らしが快適すぎて」とNさん。聞けば、家づくりのきっかけとなったのは、“ママ友”の存在だったそう。「そのママ友が、想創舎の設計士でもある小島さん。子どもを通じて仲良くなったのですが、ある日お宅に家族でお邪魔させてもらうと、びっくりするくらい素敵な家で、すぐに主人とも話し合って、土地を探し始めました（笑）」。

 

土地探しには約2年。思ったより時間を要したものの、「これ以上ない」と思える土地を見つけ、いざ設計へ。「オーダーしたのはアトリエと、光がたくさん入る家だといいなぁ、ということ。あと、ちょっとチャレンジングな土間は、暮らし始めてみるとすごく好きなスポットになりました。LDKの脇に、玄関から庭にかけて一直線に通しているのですが、アトリエ部分とプライベート部分をゆるやかに区切ってくれますし、植物などを並べるのにもピッタリなんです」。

 

アトリエ運営や家族の将来のことも考え、駐車場は6台分！

 

玄関から望んだ室内、右側には庭まで一本道で続く土間やLDK。左側には水回りなどプライベートなスペースを配置

 

自宅に併設した念願のアトリエ。大きなデスクを中心に置いて、造形教室を開催。入り口も独立させてプライベートを確保

 

 

少しずつ、わが家を整えていく楽しみも

もともと、夫婦ともにインテリア好きというNさん。新しい家では、好きな家具に囲まれて過ごしたい、という夢も。キッチンに鎮座するアンティークの棚もその一つ。「ヨーロッパの郵便局で使われていたものなのですが、お店のインスタグラムで見つけて一目惚れ。でもかなりの大きさなので、家ができるまで約1年半、お店の倉庫に預かってもらっていたんです（笑）」。そしてこの棚は、建築士の小島さんにとっても家づくりの大きなヒントに。「この棚をLDKの主役にすべく、レイアウトをアレンジ、家具のイメージを先に知らせていただけて良かったです」。

 

この家のコンセプトに大きく関わった棚を主役にしたキッチン。「たくさん引き出しがあるので、ここに食器も学校の資料もすべて収納。ようやく、どこの扉の中に何が入っているか把握できるようになりました（笑）」

 

ほか、照明関係は夫婦が集めたものを着けていけたらと、レールを敷くだけにしたり、壁のスペースをギャラリー風に使ったりと、“余白”を楽しみに変えているのもN邸の魅力。アトリエの壁は、家族全員で壁塗りにも挑戦！「1日がかりでへとへとになりましたけど、すごくいい思い出です」。ちなみにN邸には、奥さまのお父様も同居中。奥さま曰く、「いわゆる“玄関”がなかったり、オープンな間取りだったり、どうかな？と思っていたのですが、『明るいし、いいね！』と、ものすごく気に入ってくれています」。

 

1階はL字型で庭に面してリビングとお父様の部屋を配置。さらに1階の窓枠は思い切って木製をオーダー

 

節のないオークの床材は、好きなテイストの家具を実直に受け止めてくれるキャンバス。白に近いグレーの塗り壁ともマッチ

 

バスの横は脱衣所兼ランドリールームに

 

ランドリールームに隣接して洗面スペースを。扉を設けず、使いやすい動線に

 

アトリエ内にも、洗面台やトイレを設置。棚や机には、木工も得意な奥さまがつくったものも。ちょこんと置いた切株は小さなお子さんの台に