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九州の素材と旧邸宅の記憶を詰めた箱|白金小径 / 膳(福岡市中央区)

白金小径 / 膳
しろがねこみち / ぜん
(福岡市中央区)
 

中庭の中心には高さ7メートルもある小郡のソメイヨシノが立つ

 

中庭を囲んで四季の移ろいを楽しむ

 
 白金の街に突如現れる黒い箱のような建築。ここは、辛子明太子の『やまや』が立ち上げた『やまや総本店』だ。「Made inKYUSHU」をテーマに、九州の美味しいものを発信する基地として、九州の素材にこだわった食を提供する。

 店内は、辛子明太子を堪能できるランチや季節のフルーツを使ったスイーツを楽しめる『白金小径(しろがねこみち)』と予約制の割烹料理店『膳(ぜん)』の2つのエリアで構成され、中心には「スーパー楕円」と呼ばれる、〝丸よりも丸い形〞と言われている図形をもとにした平面形の中庭が配置されている。ふっくらと柔らかく、どこに立っても、歩いてもスムーズにつながる形。また、外から見ても中への興味をそそられるよう、外観は、『やまや』の世界感をつめた真っ黒な箱のようなデザインに。蓋を開けたときの感動を演出しているという。

「Made in KYUSHU 」は、建築の素材にも表れている。外塀には大分県産の杉材を用いた焼杉を、赤い土壁は鹿児島県霧島のもの。館内は福岡県田川市の消石灰を用いた漆喰壁で築かれている。『膳』では、久留米絣ののれんや、博多の伝統工芸である博多曲物のおしぼり置きなど、小物にも九州の要素を。訪れる人々と食事が引き立つようなカラーリングにもこだわった。外観は黒、ショップから『白金小径』にかけてはグレー、『膳』は赤と黒をそれぞれの基調とし、『やまや』のイメージカラーである赤もアクセントに使用している。

『やまや総本店』ができる前、ここには昭和期に建てられた邸宅があり、旧邸宅に残された空間や物質の記憶を継承するため、随所に当時のままの資源が残されている。建物に一歩足を踏み入れると広がる中庭に立つ梅の木は、旧邸宅のまま残され、今でも花を咲かせて実を付けるそう。中庭の石と植栽の間にぐるりと敷きつめられた瓦も、旧邸宅のものを利活用している。その場所の歴史や文化、地域性を尊重し、さらに進化させることで新しい価値を生み出すというデザインの方針は、『やまや』の「進化する伝統」というビジョンを体現する。

 四季折々に楽しめるよう庭木が配置された中庭を眺めながら、カウンター越しのシェフやスタッフの料理風景、会話を楽しむ、福岡の屋台文化のスピリッツをやまや流に昇華した空間。九州の旬の素材とお酒とともに、驚きと落ち着きのある『やまや』の世界感を存分に楽しんで欲しい。
 

明太子をイメージした約14,000 粒の赤い石を手作業で削り上げ、4.5cm ピッチのグリット状に丁寧に並べ、研ぎ出した床

 

職人が一枚一枚曲げ加工した銅板により艶やかさを演出した、圧巻のエントランス

 

『やまや』らしい辛子明太子の形の大テーブル
 

和とモダンが融合するこの建築は、「2023 年グッドデザイン賞」、「iF DESIGN AWARD2024」、「第10回福岡県木造・木質化建築賞木質化の部 大賞」など数々の賞を受賞
 


器には九州の焼き物を使用。『白金小径』では、爽やかなカラーの波佐見焼を中心に。『膳』では、有田焼や古伊万里焼、大分の小鹿田焼、唐津焼などを組み合わせて華やかに
 
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手作りのパイミルフィーユ
1400円

 

何層にも重ねたパイ生地にカスタードクリームを挟んだミルフィーユ。サクサクとした食感となめらかな舌触りを楽しめる。そこに旬の果物がたっぷり添えられた贅沢な一品。果物は季節によって異なるのでスタッフにお尋ねを

 

 

 
 
白金小径 / 膳
しろがねこみち / ぜん
(福岡市中央区)
 
福岡市中央区白金1-5-5
白金小径 092-406-8087 膳 050-3150-8820
白金小径 ランチ 11:00~15:00(L.O.15:00)
  ハッピーアワー・カフェ 15:00~18:00(L.O.17:30)
膳 18:00~23:00 ※要予約
定休日:なし
Instagram: @yamaya_shiroganekomichi
Instagram: @yamaya_zen
 

 
※2024年9月30日発売「ふくおか・さが 家づくりの本 秋号(no.65)」掲載分より転用しております。