THE ALLDAY ORTO
ジ オールデイ オルト
（福岡市博多区）
 

ビビッドなグリーンのオープンキッチンが目を惹く店内。客席は、シーンに合わせて座る席を選べるよう、いろんなスタイルのテーブルや椅子を用意した。SDGs の観点から、椅子には節のある木を使ったものも積極的に採用している
 

朝から晩まで好きな席で好きなことを

 
　２０２４年３月、博多駅筑紫口から徒歩２分のところにオープンした『THE ALLDAY ORTO（ジ オールデイ オルト）』。渡辺通にある人気のカフェレストラン『ORTO CAFE（オルトカフェ）』の２号店だ。１日中楽しめることをコンセプトに、モーニングからディナーまで通しで営業しており、食事はもちろん、ドリンク一杯だけ飲みに立ち寄ったり、パソコン作業をしたりと、思い思いの過ごし方ができる。スイーツやフードには、福岡県産の食材を中心に使用し、その器にも福岡のものを取り入れている。また、店内にチーズ工房『フレッシュチーズファクトリー』を併設し、モッツァレラ、ブッラータ、リコッタの３種類のチーズをここで作っており、出来立てのフレッシュチーズを使ったメニューを味わえるのも魅力。

　店舗の内装を手掛けたのは、グループ会社の『PLANNING ES（プランニングエス）』。インテリアコーディネートは自社で行なっている。２店舗それぞれ対照的なコンセプトに合わせた内装に仕上げた。「ORTO」とは、イタリア語で菜園を意味し、両店舗とも菜園をイメージしたグリーンをメインカラーに採用している。大人な雰囲気が漂う空間でゆっくりと過ごすことができる『ORTO CAFE』には、落ち着いたモスグリーンを使用。コンセプト通り、ちょっとお洒落して訪れ、静かに過ごす人が多いという。一方で、『THE ALLDAY ORTO』は、どの時間帯でも誰でも気軽に訪れて欲しいという思いを込めて、ビビッドなグリーンを選んだ。スタッフのユニフォームは、オーバーサイズのＴシャツにロゴを大きく入れることでカジュアルな雰囲気を演出している。

　注目して欲しいのは、グリーンのオープンキッチン。三角屋根が印象的な『ORTO CAFE』とは対照的に、アーチのモチーフを取り入れ、柔らかい印象に仕上げた。外観は近代的な建物らしいシャープなラインが多く、スッキリしているため、店内に柔らかいラインを取り入れることでアクセントに。このオープンキッチンを目立たせるために、床や天井は、工事されたときのまま、あえてあまり手を加えず、テーブルや椅子などのインテリアも色を落ち着かせている。無機質なコンクリートの空間に鮮やかなグリーンのアーチが映え、客席からオープンキッチンを見ると、まるでステージのよう。好きな時間に訪れて、〝ステージ〞を眺めながら、自分らしい過ごし方を楽しめる場所だ。
 

大きな木をぐるりと囲んでのんびりと過ごせる席や食事を楽しむ席、パソコン作業に集中できる席、どこに座るか選ぶのも楽しい