「感覚を語言化する」自分らしいデザインに
たどり着くための第一歩とは?
[サードカフェ]が建てる家は、すべて違う表情をしている。それは、「建てる人が好きなデザイン」を徹底的に追求しているから。では、感覚としてとらえがちな好きなデザインを、どうやったらうまく伝えられるのだろう? 代表・桐谷さんの話にヒントがある。
3rd. Cafe LIVING STYLE
一級建築士
桐谷 シゲルさん
株式会社サードカフェリビングスタイル代表。大手ハウスメーカー、ゼネコン、ハウスビルダーを経て、2013 年に独立、起業。6人の子どもを持つパパで、子育て中の家や家事のしやすい家づくりにも定評がある。
デザインはアートとは違う
誰にでも答えがあります
「デザイン性の高い家を建てたいけど、自信がなくて…」とか「私はセンスが良くないから…」とか。お施主様と話をしていると、時々そんな声を耳にします。
デザインに対するコンプレックスをお持ちの方って、意外と多いようです。でも、ご安心ください。それは、デザインとアートを混同して捉えているだけですから。
まず、デザインは、アートのように個人のセンスや感性で成り立つものではありません。わかりやすく言うと、アートとは個人の「好き・嫌い」で取捨選択しても成り立つもの。しかし、デザインとは原理原則に従って導き出されるものです。アートが「美術」の世界だとしたら、デザインは「数学」の世界に近くて、必ず正しい答えがあるんです。
名作と呼ばれる家具や家電、自動車、楽器…そしてもちろん、家。美しいと言われるデザインには必ず、デザイナーの理論や思想に基づく「デザインコード」が存在します。[サードカフェ]では、家づくりの打合せの前にこうしたデザインについてのお話をじっくりとさせていただいています。一見、遠回りに感じるかもしれませんが、この話を理解なさってから「家づくりがすごく楽しくなってきた!」とおっしゃるお施主様がものすごく多い。デザインを語れることは、弊社の強みのひとつだと思っています。
「好きなデザイン」を
可視化して掘り下げながら
具体的に共有する
[サードカフェ]ではプランの打合せに入る前のヒアリングに、長ければ1カ月近い期間を費やしています。先ほどのデザインのお話もここでしますし、人生を豊かにしてくれる趣味、好きな作家やアーティスト、大事にしたい家具などなど…ただの雑談のようなお話もたくさんします。一見関係ないように思われるこの雑談の中に、じつは好きなデザインのヒントがたくさん隠れているんですよ。
「好きだな」、「いいな」と思うデザインや空間があったら、SNSやメールで写真や画像をどんどん送っていただきます。
お施主様から提示された写真の上辺だけを家づくりに取り入れる会社も多いようですが、それではプロの仕事とは言えません。弊社は膨大な写真の中からお施主様だけの「好きな要素」を掘り下げて、私の方からも「もしかしたら、こういうお店の色合いとか、このディテールのデザインもお好きじゃないですか?」といろんな写真をご提示します。こうしていろいろな写真を媒介にしながら言葉ではなかなか表現しづらい感覚を可視化して、感覚を擦り合わせていくんですね。
こうしたやりとりを3、4回繰り返していくと、デザインに対する意識が研ぎ澄まされていきます。設計士である私自身、お施主様が好きなデザインを明確かつ具体的に理解できますし、お施主様ご自身も好きなデザインについて言葉で説明できるようになります。
正直言って時間もかかるし、効率的とは言えませんが、[サードカフェ]が考える完全なる注文住宅を建てるにはこのヒアリングがどうしても必要な時間なのです。
大切にしているのは
「お客様が好きなデザイン」
お施主様の好みのデザインが共有できたら、いよいよプランの打合せに入ります。
ハウスビルダーによっては、得意なデザインをはっきりとアピールしている会社もあります。でも[サードカフェ]の仕事は、私達が得意なデザインを押し付けることではありません。私達の仕事はあくまでも、お施主様の好みを把握したうえで、それらを1つの空間というデザインの中にどう落とし込んでいくかを考えることなのです。
まず、弊社ではインテリアを構成する要素を1次元、2次元、3次元にグループ分けして見ていきます。1次元は柱やライトレール、ブラインド、テーブルの脚など「線」の要素。2次元は壁や床、カーテンといった「面」の要素。3次元はソファや冷蔵庫、チェストといった「立方体」の要素です。
たとえば、今住んでいらっしゃる部屋を構成するすべての建材や家具、雑貨をこの3つのグループに分けてみてください。それぞれのグループの色や素材が統一されていればその空間はデザイン的なまとまりを感じるでしょうし、統一感がない空間はすごく雑然として見えるかもしれません。
[サードカフェ]では、お施主様からお聞きした1次元・2次元・3次元の情報をデザインの原理原則に従いながら整理して、お施主様にとって揺るぎない「デザインコード」を一緒に見つけていきます。この「デザインコード」が決まれば、家づくりは拍車をかけて面白みを増していきます。
限られた予算でも
デザイン性の高い家は
建てられます
お金をかければいいデザインの家になるかと言うと、そうとも言い切れません。
いいデザインの条件は第一に、飽きがこないこと。デザインを追求していくと、家はシンプルになっていきます。「それじゃあつまらない」と思う方もいらっしゃるでしょうが、個性を表現する手段は他にいくらでもあります。
たとえば、キッチンでもソファでも、主役となる何か1つに徹底的にこだわればいい。極端な話、高価なシステムキッチンを主役にするならば、そこに置くカップは安くても高価に見える。そんなふうにまわりを引き上げる力が、主役級のデザインにはあるのです。
家づくりを始める前に、新居にどうしても置きたい家具などを1つ決めておくという手もあります。その1つのアイテムを主役にして空間のデザインを構築するというやり方ですね。
逆に、主役級のデザインばかりを集めた家は、お金はかかっていてもデザイン同士が主張をし合って、互いの良さが消えてしまいます。空間全体のバランスを見極めて的確なアドバイスができてこそ、プロの仕事と言えるでしょう。弊社ではこうして時間をかけて、お客様との信頼関係を築いています。世の中には様々なデザインの家が存在していますが、いくら展示場やモデルハウスを見学しても「どうもピンとこない」とか「理想と違う…」とモヤモヤなさっている方も多いと思います。もしかするとそれは、あなたの理想とするデザインの家が、まだこの世の中にないからかもしれません。私たち[サードカフェ]にあなたの好きなデザインをお聞かせください。そして一緒に、理想の家を造り上げましょう。
house builder’s data
3rd. Cafe LIVING STYLE
福岡県春日市白水ヶ丘4-7アミティときわ1階
TEL 092-983-3093
http://www.thirdcafe.com