室内暮らしの猫にとって、家は生活のすべてと言っていいほど。
ストレスなく過ごせる環境を用意して、快適で幸せな生活を過ごしてもらおう。
猫の家というなわばりを
快適で楽しい空間に!
「猫は家につく」という言葉があるが、これは猫が”なわばり”を大切にする動物であることが由来。猫は野生で暮らしていたころに、他の猫とトラブルにならないように自分のエリアを決めていた。現代の猫にもこの野生時代の本能が残り、自分が暮らす家を”なわばり”にしている。そのため、猫は外に出さなくても家という”なわばり”の中で安心して暮らせるのだ。
感染症や交通事故の危険から猫を守るためにも室内飼いは推奨されているが、ずっと室内で過ごすことで運動不足になり、退屈してしまうことも。そこで室内には猫の習性を生かした、快適に過ごせるような工夫が大切に。そのポイントを『LIFE STYLE』(古賀市)で家づくりをした愛猫家のEさん邸からみてみよう。
POINT 1|キャットステップやキャットウォーク
猫は高いところや上下運動が大好き。これは外敵に見つかりにくく、獲物を見つけやすいという習性から。キャットタワーやキャットウォークを設置すると、猫は運動しながら高いところに登ることができる。Eさん邸は吹き抜けをキャットステップで囲み、リビング全体を遊べる空間に。
過去の施工事例を参考に作ったというキャットステップ。時計横の透明なボウルは、愛猫の肉球が裏から見えるというのがお気に入りという
POINT 2|外を眺める窓
家をなわばりにしている猫にとって、窓は大切な要素。というのも、窓から外を見張ってテリトリーを守っているから。そこで、室内に窓から外を眺められる工夫をすることも猫仕様のポイントに。Eさん邸では窓辺にキャットウォークをつくり、2階の通路からも窓を眺められる設計。
愛猫の目線で外を眺められる工夫がみられるEさん邸。2階の窓から鳥を眺めて楽しんでいるそう
POINT 3|日光浴スペース
猫のひなたぼっこにはメリットがたくさん。その一つが身体づくり。日光を浴びると骨づくりに欠かせないビタミンDが生成され、毛づくろいすることで体内に取り入れているという。その他にも、精神の安定や体内時計の調整などのメリットがあるので、猫がひなたぼっこできる場所を確保してあげてほしい。
日当たりの良い場所に中庭を設けたEさん邸。猫がジャンプしても届かない高さに壁を設けて脱走防止にも
POINT 4|猫のトイレスペース
猫は警戒心が強く神経質な動物。そんな猫の居場所で気を付けたいのが、トイレだ。排泄中に大きな音がしたり気配がしたりすると、トイレを使うことにストレスや恐怖感を抱くことがあるので、人通りが少ない場所に設置するのがおすすめ。ただこまめな掃除や排せつの確認が必要になるので、全く人目がつかない場所も不向き。Eさん邸では、人のトイレと猫トイレを一体化し、換気扇を取り付けて臭いがこもらない工夫も。
猫の砂かけ音が気にならないように、壁に断熱材(グラスウール)を追加して防音仕様に。猫が自由に出入りできる小窓も設けた。
砂かけ音が気にならないようにトイレは玄関ホール入ってすぐの場所に設置した
POINT 5|快適な温度の室内
猫にとって快適な室温は20~28℃といわれている。夏は暑すぎると熱中症のリスクが高まり、冬は寒すぎると体温が下がって病気にかかるリスクが高まってしまう。夏や冬には、冷暖房で室内を適温に調節する必要がある。
Eさん邸は高気密・高断熱仕様なので、室内の温度差が少なく、とても静か。1年を通して快適な室温で過ごせるようになっている
取材協力:LIFE STYLE 有限会社ライフスタイル(福岡県古賀市久保1139-1 TEL092-943-1669)https://www.your-lifestyle.jp/