久留米市在住／Eさんの住まい
 
南向きに開けた抜群のロケーションを生かし、目指したのは
抜群の陽あたりと景色を取り入れた居心地のいい住まい。
将来的に1階だけで暮らせる動線や機能性も考え抜かれ、
完成した家には、のびのび健やかな家族の姿が似合います。
 

 

眺望と南向きの利点を
効果的に生かした家

 
「祖母の家が暖かな縁側のある一軒家で、ミシンをかけている光景が浮かんできたんです」。子ども服の縫い物などものづくりが好きな奥さまが家づくりを思い立ったときの想いを話してくれた。広い庭の向こうに、田畑と耳納連山がなだらかに広がる眺望が魅力のE邸。南側に面したリビングと和室とつながるインナーテラスにたっぷり陽が射し込み、お子さんの笑い声が軽やかに響いている。

　家を建てるなら、とご夫妻が迷いなく決めたのは、木造の一軒家だった。「私も主人も実家が戸建てだったのもあって、新築の戸建てというのは自然な流れでした」。

　土地とハウスビルダー探しを始めた中、雑誌を見て訪ねたのが［住工房プラスアルファ］のオープンハウス。「第一印象で、木の家はいいねって話して、その後、完成見学会へ行ったとき、そこが平屋にロフトのついたお宅で、〝こんな家がいいね〞って」。ちょうど下のお子さんが誕生し、安心の自然素材と使い勝手のよい間取りが決め手に。
 

 
　ここから、ご主人の実家の近くで見晴らしのいいこの土地が見つかるまでの間、1年弱かけてじっくりプランを練っていったというご夫妻。軸となったのは、眺望と南向きのロケーションを生かした間取り。南面を最大限に有効活用できるよう、とことん話してあれこれ図面を変更しながら、納得のいく間取りを詰めていったという。
将来的に1階で生活が成り立つよう、1階に和室と寝室も叶えた。和室とつなげたLDKは、普段はオープンにしたまま、来客時などは引き戸を閉めて使えるストレスのかからない広々空間。奥さまの希望でダイニングを横につなげたキッチンは、スムーズな家事動線と、庭を眺めたり、子どもたちを見守れる便利な配置になっている。ご主人が希望した家族共用の書斎は、リビングの一角に造作した。
 

 
「書斎もつくりたいという話はあったんですが、場所がない、だったらリビングの一角にと提案いただいて。壁は最初、上まできっちり仕切られていたんですが、採光とエアコンの空調が効くように上部を程よく開けてもらいました」。おこもり感と開放感とが適度に感じられる居心地のいい場所に。

　奥さまが「祖母の家」をイメージしたように、ご主人の想いも散りばめられている。「祖父が製材所をしていた頃の端材があるから使えば？と両親に勧められ住工房さんにお話したら、大工さんと工夫していたるところに使ってもらえて、良い思い出です」。

　書院造の建具を欄間として使いたいというリクエストも、解体される古家から持ってきてもらうなど、たくさんの思いが工夫を凝らした住まいに変身していった。
 

 

 

思いを丁寧に汲みとりながら
コスト面のバランスも提案

 
　間取りやデザインの工夫に加え、機能性を生かした居心地づくりも［住工房プラスアルファ］の得意技。一昨年の夏に入居し、1年半ほどが経つ住み心地について、ご夫妻はこう話す。

「夏は涼しく、冬は暖かい高断熱・高気密の性能が標準仕様で組み込まれているんですね。加えて、私たちは暖房システムを取り入れました。おかげで、北側に置いた寝室や水回りなども過ごしやすくて、一年中快適です」。家中に設置された床下の吹出口から、温かい空気が流れ出て、足元からじんわり効率よく暖めてくれる空調もまた、その効果が最大限に発揮できるよう、空間の取り方、窓の取り付け位置などが計算し尽くされている。
 

 
　収納面も同様。例えば寝室を小上がりにし、下部に収納スペースを取り入れることですっきりと生活できているように、空間一つひとつの役割を考え、それらが過不足なく整えられているから、歯車がぴったり合うように、毎日の生活がスムーズに巡っていくのだ。
 

 
　家づくりを経験した今、思うことがあるとご主人が話してくれた。「始める前は、家ってもっと安く建てられると思っていました。ですが、いろいろ調べていくうちに、それ相応にかかるものだと理解できていったんですね。そんな中、住工房さんは、ここをこうすると幾ら増えるけれど、その分こうすればここはコストを下げられますよという感じで、バランスを取っていってくださって、やり取りが明瞭で安心感につながりました」。

　浮かんできたイメージ、記憶や思い出、家族にとって大事な物をあちこちに散りばめたE邸。その想いを丁寧に汲みとり、一緒にとことん考え抜いたプランだから、後悔のない住まいが完成したこと、長く話し合った分、その時間はとても有意義で必要だったことを快適な住まいが教えてくれた。