【humming joeに聞く】北欧の名作・良品にまつわる 知られざる「モノ」がたり vol.04

背景を知ることで、そのモノがより魅力的に見えてくる。
隠れた秘話や買い付けで得た北欧事情などを交えながら、
「ハミングジョー」の店主やスタッフが良品の魅力を教えてくれるシリーズ第4弾です。


今回はウェグナーと並んで、デンマークを代表する家具デザイナー、ボーエ・モーエンセンに焦点を当ててみたいと思います。
モーエンセンは、家具職人の道に進んだ後、コペンハーゲン美術工学学校で美術工芸を学び、さらには王立芸術アカデミーで建築学を学んだデザイナー。
多角的な視野から家具や建築を見つめてきた中で、学校や役所など生活に密着した家具を多く手がけてきました。実際、自宅に試作品を持ち込んで、使い心地を試していたという、生活家具にこだわりを持ったエピソードもモーエンセンらしさといえます。
シンプルで温かみのあるデザインで、ウェグナーと比較されることも多い彼ですが、美術工学学校でともに学び、F.D.B.(デンマーク協同組合連合会)で家具をデザインした時代がありました。戦後の復興の中、狭い空間でもいい家具を長く使ってもらいたいという思いから、デザインはもちろんのこと、大量生産しやすく輸送コストまで考えられたインテリアを生み出していった功績が、北欧を代表するデザイナーとしての名を確かなものにしていったのでしょう。
共作した「スポークバックソファー」やモーエンセンの息子にウェグナーが贈った「ピーターズチェア」から窺えるように、いい仕事仲間、友人関係にあったようです。
モーエンセンのデザインの特徴は、無駄のないシンプリシティ。様々な形に組み替えできるモジュール式のブックケースに見られるように、備え付けのように地味に見える家具も、建物や空間とのバランスを図り、調和するよう巧みにデザインされています。
そこにあるのは、「デザインは特別なものでなく、みんなのもの」という意識。その思いが使う人に伝わってきたからこそ、良質で長く愛されるデザインが今に残っているといえるのかもしれません。
名作といわれる数々の作品。家具、工芸、建築を体系的に学んだ者しかかたちにできない優れた魅力を、ぜひ当店で見つけてみてください。

①ダイニングチェア「J39」(ビーチ)


▲シェーカー家具を基にした代表作。初期のF.D.B.時代のもの。ペーパーコードは伝統的な編み方で張り替え済み。

②ライティングビュロー(チーク)



▲モーエンセンらしい持ち手や脚先のデザインが特徴。勉強机やリビング・ダイニングの収納家具として人気。

③アームチェア(オーク・レザー)


▲後脚と背もたれを連結させた金具がアクセント。オークと相性のいいブラウンレザーで張り替え済み。

④ブックケース(オーク・チーク)


▲棚やフレームはオーク、下部の扉はチーク製の二段構造。同じ幅で組み合わせが自由にできる’60年代の人気シリーズ。

●教えてくれた方

スタッフ
有田恵美さん

入社して10年。主に商品写真の撮影を担当。テキスタイルや雑貨を用いて、温かみのある空間コーディネートを提案するなど、ポップでレトロなスタイリングが得意。

humming joe ハミングジョー

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