「すべての要望を叶えた家は、
本当に理想の家なのか!?」

すべての要望を叶える それって本当に正しい?

住宅メーカーの宣伝文句として「施主様の要望はすべて叶えます!」といったものがありますよね。自分たちの要望をすべて取り入れてくれる家。聞こえはいいですが、それって本当に住みやすい家なのでしょうか? いざ住んでみると、不便なところがちらほら…なんてことが、実は結構起こったりするんです。収納は多く作ったけど、収納するのに不便だったり、デッドスペースができていたり。そんなことが起こる最大の原因は『要望だけを聞いて家を造ったから』。自分たちの要望を貫くことで、逆に損してしまうことが十分に起こりえるので注意が必要です。

南側に大きな窓 要望を叶えたら…

例えば、南側に大きな窓を要望したとします。この土地は住宅街の中にあり、南側が道に面しています。このような立地の場合、南側に大きな窓をつけると、家の中が外から丸見えになってしまうんです。本来は周りの環境などの考慮して間取りを決めますが、要望だけを聞き入れて造ると、昼間でもカーテンが開けられない家になってしまいます。実際、そういう家って結構あるんですよね。[アーキブレイン]が提案したのは、南側には高窓、ウッドデッキ側に大きな窓を設置した間取り。これだと十分に明るくなりますし、かつプライバシーも守ることができます。絶対に南側に大きな窓をと言われると、なかなか提案できない間取りです。この事からも、要望に固執しすぎると良くない方向に進むということが分かっていただけると思います。

具体的に…はダメ! 上手な要望の伝え方

では、自分たちの要望を取り入れたうえで、住みやすい理想の家を建てるにはどうしたらいいのでしょう。そのコツは『要望を具体的に伝えないこと』。収納はロフトで、南側に大きな窓を…といったように要望が具体的すぎると、プロが考える良いアイデアが加えにくくなってしまいます。○○が収納できるスペースがほしい、リビングは明るく…など、アバウトに余白を持って伝えていただくと、私たちも住みやすい家を提案しやすくなります。ぜひプロを信用して、家づくりを任せてみてください。しかし、言いなりになるのではなく、不安に思うところがあったらどんどん質問するのも大切です。設計にはすべて意図があるので、どうしてこの間取りなのか聞いてみると納得できるかもしれませんし、もっと良い案が生まれるかもしれません。納得するまで話し合うことが必要だと思います。 いまお話ししたことを考えると、「すべての要望を叶えます!」なんて言葉が出て来た時は、一旦冷静になって考えた方がいいかもしれませんね。住宅会社からしてみれば、すべての希望をくんで家を造った方がラクでいいんです。どんな家ができたとしても、施主様の言う通りにしたと言えるので。ただ僕たちは家づくりのプロですから、そんないい加減な仕事はできません。どう考えても不必要なものは要らないとはっきり言いますし、それ以上に良いと思うアイデアはどんどん間取りに反映させたいと思っています。みなさんには、ただ話しを聞くだけの会社ではなく、ちゃんと意見をしてくれるような信頼関係が築ける会社でぜひ家を建ててほしいですね。[アーキブレイン]では、間取りについての相談も随時受けていますので、ぜひ気軽にご相談ください。
株式会社アーキブレイン
建築デザイナー 吉村 昌高氏

まとめ

●要望をすべて叶えた家が理想の家ではない! ●要望はアバウトに。具体的に伝えすぎない ●設計にはすべて意図がある。疑問があれば質問を。