冬あたたかく、夏涼しい家

まだまだ続く、寒い季節。冬にあたたかく、夏は涼しい住まいに憧れます。 世の中に室内の温度を調整する方法や器具はいろいろありますが、 ここに紹介するK邸が選んだのは「光冷暖」というシステム。 「このシステムのおかげで家族みんながストレスなくハッピーに過ごせる家が完成しました」と語るKさん。 さっそく自慢のわが家におじゃましました。

普遍的な美しさ息づく平屋の住まい。

K邸外観。正面から見た時のシンプルなボックス型のシルエットは奥さまがリクエストしたデザイン。風雨から家や家族を守れるよう軒をしっかりと出したのはご主人のアイデアなのだそう

家のすみずみまでどこでも日なたのよう

「わぁ、あったか~い!」。 K邸を訪れた私たち取材スタッフはLDKの扉を開けた瞬間、口を揃えてそう言った。 何しろ厳しい冷え込みが続いたこの冬、撮影日も身が縮むほど寒い日だったから私たちの喜びもひとしお。そのあたたかさもちょっと独特で、エアコンのような温風とも、暖炉のような火力が発する熱ともちがう。じわじわとからだの内側からホカホカしてくるような、ひなたぼっこをしている時のようなあたたかさなのだ。 その理由をKさんは「こいつのおかげです」と、リビングとキッチンの間に設置された格子状の仕切りのような部分と、部屋の壁を指して説明してくれた。 「これは光冷暖の専用のパネルと壁材です。光冷暖は送風を用いず、この壁・天井とパネルにより、遠赤外線を利用した光エネルギーによって、直接、人を温めたり冷やしたりする冷暖房システムのこと。この管の中に循環している水を温めたり冷やしたりして暖かさ・涼しさのもとをつくり、光エネルギーによって家全体に行き渡らせる感じですね。風が吹かないので室内の空気がいつもきれいに感じますし、ストーブや暖炉などの匂いも感じません。わが家にはこのパネルを合計で3台取り付けていますが、エアコンよりも少ない電力で稼動できるので経済的にも助かっています」。 光冷暖を取り入れることによって、設計の可能性もずいぶんと広がったのだそう。間取りを見ると分かるように、ワイドなLDKや和室、バスルームやトイレ、各個室へとつながる廊下はすべてゆるやかなつながりを持っている。これも家全体を隅々まで温めてくれる光冷暖の働きのおかげだといえる。 空間を仕切る壁や扉は必要最低限でOK。そこでKさんはかねてから検討していた幅3m越えというワイドなアイランドキッチンを新居に導入することを決意。「このアイランドキッチンを中心に妻が楽しく家事ができ、家族みんながつながりながら快適に過ごせる間取りを考えよう」と考えた。 そのデザインは、まるで華やかなステージのよう。K邸の家づくりはご主人から奥さまへの感謝と愛情の象徴ともいえる、このアイランドキッチンから始まったのだ。

モダンな中にも自然の温もり感じるリビング。

ダイニングテーブルも兼ねたアイランドキッチンはトーヨーキッチンにセミオーダーしたもの。家事の動線と効率を考えて天板の大きさは3340mm×1460mmに。ステンレス製の天板には波打つような模様が刻まれ、照明を受けて輝くとよりいっそう華やかな表情になる

家族がつながりあう幸せな距離感を大切に

あらゆる人と人、モノとモノとの間には、幸せな距離感というものが、きっとある。たとえば、ただ広いだけでは快適なLDKとはいえないし、家具のサイズがひとつ合わないだけでもストレスになり兼ねない。 Kさんが間取りを考える際にもっとも重視したのも距離感やサイズ感だ。「LDKはできるだけコンパクトに。アイランドキッチンを基準にどのくらいの距離にリビングがあったら会話が弾むのか、どのくらいのソファをどの位置に置いたらテレビが快適に観られるのか、一つひとつのサイズや距離感を大切に間取りを考えました」。 家事動線を考慮してトイレ、洗面、ランドリーコーナー兼脱衣所、バスルームもひとまとめに。使うときにゆとりを感じる広さは確保しつつ、できるだけ移動距離が少なくてすむよう、計算し尽くされている。「おかげで掃除や洗濯もずいぶんラクになりました」と奥さま。そう、家事動線って本当に大事。奥さま想いの設計は、家族みんなの幸せにもつながる。
勾配天井に木の表情を取り入れたリビングは、自然の温もりが伝わるような雰囲気。可愛らしいランプも映える。大きなソファーがみんなのお気に入り!

休日はわが家の特等席で映画鑑賞を。

100インチのスクリーンを設置、家族揃って映画鑑賞も楽しめる主寝室。造作本棚や衣類をすっきり収納できる壁一面のクローゼットを確保し、整理整頓がしやすいよう配慮

便利なAI家電もストレス解消の味方

もう1つ、Kさんが「家づくりをきっかけに思い切って生活に取り入れて良かった」と感じているのが、電化製品などの新しい技術だ。 「そもそも家を建てる時の妻のリクエストは、掃除がしやすいことと収納がしっかりあること、この2点でした。うちは共働きですから、私も妻の家事負担がどうしたら軽くなるか、何があれば家での時間が楽しくなるかを考えました。そこで導入したのがお掃除ロボットや映画を楽しめるシアタースクリーン。こうした先端技術はある程度費用もかかりますが、新居を建てる時だからこそ思い切れる投資でもあります」。 確かに、こういうお楽しみが日々のストレス解消に役立ち、家族のハッピーな時間につながれば決して高い買い物ではないだろう。ただ、予算がない場合は……と訊ねると「お金をかけたい項目とそうでない項目を決めておけば大丈夫。うちも実はお金をかけてない所はかけていません」とこっそり。予算の活かし方もいい家づくりのポイント、ぜひ見習いたい。

家づくりのMessage

  ストレスはチリのように静かに降り積もり、人のこころやからだを蝕んでいきます。私たちが家づくりで最初に話し合ったのは、何が生活のストレスになっているか、でした。毎日の掃除や洗濯、孤独になりがちな台所仕事。そうしたストレスの原因を解消して家族みんながハッピーな時間を手に入れること。 そのためには新しい技術や家電製品も味方につけてもいいと思うのです。冬は寒く夏は暑い家も、やっぱりストレスですよね。だからわが家は1年中快適に家中どこででもストレスなく生活できる光冷暖を導入。初期費用はそれなりにかかりますが、長く使い続けることと気持ちのよさを考えたら高くないと思います。こういうところを抑えて家族のこころやからだにストレスが降り積もる方がずっとコワい。 本当に家族の幸せにつながるものは何か── そこをしっかり考えれば建てるべき家がはっきりと見えてきます。