家づくりのプロが手がけた
自分の家族のための家

糸島市に拠点を置き、『木に包まれる家』をテーマに 家づくりに向き合っている[棟生工務店]。 その代表・吉富直生さんが、家族のために建てた家は、 プロならではのチャレンジに満ちていました。

“やってみたかったこと”を
自らの家で試したい

生活の中心となるLDKには木をふんだんに。一部は床を畳敷きにし、くつろぎ感をアップ。階段をオープンな造りにしたことで、空間に広がりが生まれた

代表自らが、設計・施工を手がける[棟生工務店]。「現場は、本社から車で30分以内」という条件を掲げ、主に糸島エリアで家づくりを手掛けてきた工務店だ。この本でもこれまで、同社が手がけた家を数々紹介してきたが、取材先の多くの施主(特にご主人)の口から語られたのが、「社長にお任せしました!」という言葉。大まかなリクエストは出すものの、全体の雰囲気や間取り、ディテールに至るまで、「吉富さんに任せたら間違いなかった」と嬉しそうに語ってくれる方々ばかりだったのだ。
そんな、クライアントからの信頼を一手に集める社長の自宅とは?ということで今回。訪ねた先は、糸島市中心部のご自宅。約5年前に建てたという家は、もちろん代表自らが設計・施工を担当。
玄関を入り、ナラの一枚板の扉を開けると、広々としたLDK。こちらの床材もまたナラで、貴重な柾目の板、1枚ずつに本実加工(木板のサイドに凸凹をの加工をつけること)を施した自慢の床だ。
「自分の家ですし、少々手間や時間がかかっても、やってみたいことをやってみました。ある意味、“実験”ですよね(笑)」。そんな家の中には、「進化しながらいい家をお客様に届けたい」という代表の思いが随所に詰まっていた。

デザイン性と住みやすさを
共存させた家づくり

2階から見下ろすと、より一層、床の美しさが印象的。幅の異なるナラの木に本実(ほんざね)加工を施し、1枚ずつ丁寧に組み合わせた代表の力作

以前は中古住宅をリフォームし、暮らしていたという吉富家。この家に引っ越した家族はまず、その快適さに驚いたとか。「前の家は冬になると本当に寒くて、結露も。それが全て解消されて。改めて感心しました(笑)」と奥さま。また6人家族の家事の大変さを解消するために工夫を凝らした水回りの造りにも大満足だという。洗面所に隣接したランドリールームは、6人分の洗濯物を一気に干すことができ乾燥もスピーディ。雨の日に洗濯物が家中を占領することもない。またキッチンは、シンク・コンロ側、その逆側にも収納棚をたっぷりと。パントリーもあるので、こちらも常にすっきり。 暮らす人のリクエストを丁寧に拾い上げ、形にするスタイルはこの時からすでに完成されていたのだ。

〝家は進化していく〟
そのことも、楽しみながら

他の現場にも出向きながら、約半年かけ、一人で完成させた自邸。木をふんだんに使ったゆとりある空間、夏は涼しく、冬には薪ストーブが優しく温めてくれる家は完成後、モデルハウスとしても活躍している。「木の使い方、間取り、ディテール面など、『こんな風にお願いしたい』と言っていただくこともあり、嬉しいですね。ただこの家は、5年前に建てたもの。例えば3年前からは全熱交換器を導入し、さらに快適な家づくりを追求するなど、この5年間の間に機能・デザイン面共に、しっかりアップデートしています。そのあたりも、新しいお客さまにはお伝えできたら」と吉富さん。
2020年のうちには、糸島市内に新しい事務所を建設予定。「そこでも、新たな“実験”をしてみようかと思っています。まだまだ、家づくりが楽しくて仕方ないんです」。

キッチンは、2,3人が同時に作業しても込み合わないほどワイドサイズ。ダイニング側のカウンターには、ディスプレイ棚を造作してアクセントに

この建築を手がけた会社

  • 棟生工務店 株式会社 梁 hari
  • 〒819-1313  福岡県糸島市志摩稲留4-1
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