漆喰の塗り壁が醸し出す
ジャパニーズモダンスタイル

日本古来の造形美をモダンな住まいとして蘇らせた『KURA』。 大人の隠れ家をイメージした空間デザインが魅力のモデルハウスを訪ねてみました。

大切な財産を守る〝蔵〟を
現代に蘇らせた『KURA』

日本の伝統的な建築様式の一つである蔵造り。木造の骨組に複数回、土塗を施して、表面を漆喰で塗り上げる様式は、防火、防湿の効果が高く、古くから大切なものを保管するために用いられてきた歴史を持つ。特に江戸時代後半から大正時代に建てられた白壁・瓦葺きの土蔵は、その凛々しくて堂々とした風格も魅力。調湿性と不燃性、そして美しさを兼ね備えた蔵に、現代的なアレンジを加えて誕生したのが[智建ホーム]が提案する『KURA』だ。
このジャパニーズモダンスタイルのモデルハウスが大野城市の住宅街の一角にある。完成後、7年が経つというが、漆喰は白さを保ったまま。シンボルともいえる4つの正方形の窓は、枠まで漆喰で塗りこまれていて、左官職人の手による丁寧な仕事ぶりが伺える。
建材を使って、ローコストで手間を掛けずにつくろうとする建築が一般的になった現代において、ここまで素材や工法にこだわるのはなぜか? それは[智建ホーム]の代表取締役・泊岩 智さんが左官職人であることに関係している。

収納の内側までオール漆喰
素材の安心・安全で家族を守る

[智建ホーム]が目指すのは、子ども、そして孫の世代まで100年以上住み続けられる家づくり。「家のほとんどの面積を占める壁や天井は、住む人にとって、体に優しいものでなければならない」という発想から、たどり着いた答えが〝漆喰塗り壁〟と〝外断熱〟の標準仕様だ。
漆喰を選ぶ理由の一つが安全性。同社では化学物質の素材を一切使用していない100%天然素材の福岡県産漆喰を使用している。第二の理由は耐火性。表面が石灰岩と同じ漆喰は燃えることがなく、大切なものを火災から守ることができるからだ。そして、臭いや湿気を吸う吸臭性・調湿性、細菌の増殖を抑えカビやダニの発生を防止する抗菌性も兼ね備えている。さらに、二酸化炭素を吸着し、時間が経つほどに固まり、強度も高くなる性質もあるため半永久的に塗り替えの必要もない。メンテナンスの視点からも、時とともに劣化・剝離することがあるクロス張りよりもメリットがあると言えるだろう。こうした性能を確実に引き出すために、自社で技術育成した左官による自社施工にもこだわっているのだ。
もう一つの特徴である〝外断熱〟。屋根、壁、基礎部も断熱することによって、屋外の熱や湿気をシャットアウト。加えて、窓には断熱性の高い樹脂サッシの複層ガラスを採用。こうして冷暖房効率が高まることは、住む人が快適なのはもちろんのこと、壁内結露も防げるため、住まいの寿命を伸ばすことにもつながっている。
建物の頑丈さを保つことについては、ツーバイフォー工法の採用もポイントの一つ。地震に強いこの工法を採用することで、柱のない空間の広がりや、リビングから見上げる大きな吹き抜けといったデザインも可能にしているのだ。

リビング階段はアイアンでステップの土台と手すりを組み上げ、
無垢板のステップをのせてつくったオリジナル造作

色使いやデザインも魅力の
大人の隠れ家

大野城市にある『KURA』モデルハウスは〝大人の隠れ家〟をイメージした空間デザインも見どころ。広々とした土間玄関とLDK、和室がつながった1階フロア、主寝室と子ども部屋、フリースペースのある2階が大きな吹き抜けを介して一体となった間取りは開放感抜群。2階の主寝室にある白いモルタル階段を上ればロフト(3階)があり、まさに隠れ家の雰囲気を醸し出している。オリジナル造作のリビングの階段やモルタルでつくった洗面台にも注目したい。
漆喰というと「真っ白なつるりとした壁」を思い浮かべる人も多いかもしれないが、ここではさまざまな色、素材をかけあわせた漆喰塗り壁のバリエーションを見ることができる。コテ目を活かす味わいのある塗り方、ベンガラや炭を練り込んだ色壁、キラキラとした寒水石や素朴な風合いの麻を練り込んだ意匠壁など、実に表情豊か。素材もデザインも唯一無二。

古代色のベンガラの顔料を混ぜた漆喰をコテの目をつけながら塗り上げた赤い壁。白い壁やアイアンの階段とのコントラストが美しい

「『KURA』を選ぶのは、他のどこにもない、オリジナルにこだわりたい人」というスタッフの言葉も納得だ。

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