大切なものだけにフォーカスすることで
見えてきた、自分らしい住まい

窓の外に広がるのどかな風景。気持ちに刺激をくれるお気に入りのアート。 それらを毎日、楽しめる暮らし。実現するために必要だったのは、 シンプルで表情豊かな空間でした。

好きなものが主役になる そんな空間を求めて

玄関からすぐにアクセスできるリビング。昼は自然光のみでこの明るさ、夜は間接照明で雰囲気のある空間に。中央のテーブルは床材にスチールの脚を取り付けた造作

「車通勤なので」と、市の中心部から30分ほど車を走らせた住宅街に家を構えたNさん。住宅街と言っても目の前には広大な空き地。約14畳のリビングがずいぶん広く感じられるのは、のどかな風景を一望できる窓の存在が大きい。 「リビングの窓と言えば、掃き出しタイプが多いと思うのですが、私はこの眺めを楽しみたくて。窓辺にちょっと腰掛けたり、お気に入りのモノを飾ったりするスペースもあればと思ったんです」。  そんな窓の逆サイドには、サイドボードやアートが映える大きな白壁。この壁にもNさんらしい思いが込められている。

「扉も窓も何もない壁を残して家具やアートの置き場を確保し、自分らしいスタイルを楽しみたいと思いました。壁ってつい収納を作ったり窓をつけたり、手を加えがちな場所だと思うんですけど…」。

かつてデンマークの友人の家を訪れた際「家は、これまで歩んできた自分の人生を映す鏡のような場所」という話を聞き、いつか自分もそんな家を建てたいと考えていたというNさん。その夢を叶えたのが、まっさらな中に表情を持つ、[フーセット]の家だった。

共に生きるパートナー だから、心地いいものを

無垢の床は、夏場は足触りが心地よく、冬場は木そのものに備わった蓄熱力のおかげでヒンヤリ感を感じさせない
三角屋根の屋根裏を利用した2階も、仕切りは最低限。天窓からの優しい光にも癒される。将来的には子供部屋に

〝シンプルなハコ〟でこそ、自分らしい暮らしが実現できると考えたNさんが重視したのが、美しい空間を支えてくれる〝素材〟。床材もそのひとつだ。

「1階には、全面に『ダグラスファー(米松)』を取り入れました。デンマークではよく取り入れられている床材なのですが、肌触りがとにかく素晴らしいんです。自然のものなので、冬には乾燥してパチーン! と大きな音を立てて割れたり、木が収縮して目地が広がるし、夏になると逆にギューッと目地が詰まったりするのですが、その〝生きている感じ〟が愛おしくて」。

そんな床は、お手入れもデンマークスタイル。「年に数回、専用のソープをブクブクと泡を立てて床を拭くんです。そうして汚れを落としながらコーティングしていく。我が家ではもはや、家族の年中行事です。すでにたくさんキズもついてしまいましたが、無垢材ですし、厚みが3㎝ほどもあるので、最終的には表面を削ることもできます。長く付き合っていく上で、最高の素材に出会えたと思っています」。

理想の空間を実現させた 年中快適な〝魔法瓶〟の家

またこの家を語るに欠かせないのが〝魔法瓶的な構造〟だ。

「断熱性能を上げてあるので、家の中は年間を通して快適。驚いたのは、冬場でも暖房なしで18℃を下回ることがなかったことですね。そんな空間だからこそ、無駄な扉を作らない間取りが実現できたんだろうな、と」。

自分にとって大切なものをひとつひとつクリアにしていくことで、ようやく形になったNさんの家。「家を建てた方が〝出不精になる〟とおっしゃる意味がわかりました。居心地のいい空間でくつろいでいるだけで、あっという間に日曜日が終わっちゃいますから(笑)」。

この建築を手がけた会社

  • 株式会社 フーセット
  • 福岡市早良区高取2-15-3
  • 092-831-5225
  • www.huset.jp