家の真価は目に見えない
好みの建築家とつくるパッシブハウス

人生において価値ある家とは? その答えを模索する中でTさんが見つけたのは 人生と調和が取れた高気密高断熱の高性能な家。 建築家、施主、施工の3者でつくる 次世代型の家づくり。

「暑さ・寒さを感じることなく家の中で過ごせるのはありがたいですよ」と笑顔を見せる奥さまは寝起きもいいとか

人生の中で最良の家とは?
その答えを探し求めて

山鹿市内の穏やかな自然に溶け込むように建つT邸は、木の温もりにあふれる清々しい空間が印象的だった。6年前に完成したT邸は、高断熱高気密の付加価値の高い住まいづくりを軸に、四国在住の建築家が設計を行い、ご主人のTさんが代表を務める[立山建設]が施工を行ったという。Tさん自身も一級建築士として数々の現場をつくり上げてきた有資格者にもかかわらず、外部の建築家に自邸の設計を依頼したのはなぜだろう。そこには、家を支える木材への深い愛情と、消費者と同じ目線で家づくりに向き合うTさんの建築に対する飽くなき探求心があった。「実家が製材所で、6メートルの長さまでまっすぐに伸びた木材を中心に取り扱っています。その品質は、住宅として50年、100年は生かせるものです。その木を使った家が〝家の平均的な寿命〟と言われる35年で潰されてしまう状況。悲しいじゃないですか。そこで、木も家も人も満たされる家づくりは何だろう、と考えていた時に出会った形が全国の建築家と高性能な家を建てる手法でした」と話すTさん。それは自身の経験を通して〝人の一生における最良の家とは〟という答えを模索するTさんならではの答え合わせの方法だ。

異なる視点の設計に更なる
家づくりの可能性を感じて

全国の建築士に設計を依頼する理由を聞いてみた。「建築士でもある私は、建てるならこんな風にしよう、というプランももちろんありました。数寄屋造りのわびさびの精神を大事にした家がいいなぁ、なんて。そんな中、全国の建築家に設計を依頼し、施工は自社で行うというシステムに出会ったんですね。そこで〝家づくりの更なる可能性に気づくことができるのではないか〟〝大切な木と家が永く愛される秘訣があるんではないか〟と、自邸の設計を依頼したんです。すると、同じ敷地でも私がイメージしていたプランとは、まったく異なる視点の図面が上がって来たんです。それは私にとって家づくりに更なる可能性を感じたうれしい発見でした」。

建築家と作る高性能な家に
パッシブデザインをプラス

全国の優れた建築家の発想を取り込みながら、高性能でより自由度の高い家づくりを進める[立山建設]。建築家との家づくりはどのように進むのだろう。「施主の理想をヒアリングした上で、建築家の得意分野や個性に応じて設計を依頼します」とTさん。さらに熊本に生まれ育った建築士としての視点を盛り込み、ふたつとして同じもののない土地の個性を生かす設計もポイントだ。現在は、優れた性能の家づくりを軸に自然の力で心地よさを生み出すパッシブデザインを推奨。「熊本の家は西日対策が欠かせない一方で、西風が非常に良い。光や風を効果的に取り入れた次世代型の家づくりに励んでいます」。〝ZEH〟はもちろんドイツ基準の〝パッシブハウス〟の家づくりに邁進するTさん。「施主の人生や家の一生と向き合い、将来を見通せる家づくりを続けたいですね」。

晴れた日には、のんびりデッキでティータイムを。そんな楽しみがあるだけで、日常は豊かだ

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